ギター講師の皆さん、生徒さんとの関係は上手くいっていますか?僕の周りでギター講師をやってる人と話したりすると、上手くやれている人がいる一方で「生徒が練習してこないので教え甲斐がない…!」や「生徒が上手くなりたいのかどうかモチベーションが分からない~~」という方も多い印象です。
今回はそんなギター講師の悩み「生徒のモチベーション」についての記事です。生徒のモチベーションを引き出せるギター講師になるには、どのようなことが大切なのでしょうか。
よくある悩み
「生徒が練習してこないので教え甲斐がない」や「生徒が上手くなりたいのかどうかモチベーションが分からない」、多くの場合、こういった悩みの原因は生徒さんとのコミュニケーションにあるんです。「あの生徒は何考えてるかいまいち分からないけど、とりあえず来てくれるからレッスンしよう…」と思ってしまう前に、目をそらす前に!もう一度生徒さんとのコミュニケーションを見直してみましょう。
「話すより」「聞くこと」から始めよう
ギター講師である皆さんも生徒のモチベーションを上げるために何かしらのアドバイスを行っていると思います。例えば「○○さんはこのコードが苦手だから、毎日少しでも練習すればいつの間にか弾けるようになりますよ!」というふうに。しかし、反応はいまいちだし、生徒は練習してこない…。なんで??なぜなら、そのアドバイスは正しく伝わっていないからです。
トップ・オブ自己啓発本の『7つの習慣』には、成功するために必要な考えや立ち振る舞いが7つに分けて紹介されていますが、コミュニケーションにおいてこんなことが書かれています。
まず理解に徹し、そして理解される。家族、恋人そして友人に、自分のことを理解してもらいたいという気持ちがあるのに、そのことに成功している人は少ない。それは、自分の言いたい気持ちが先走り、相手のことを理解しようという姿勢が足りないから。「わかってくれない相手が悪い」と責める前に、自分自身を振り返ろう。相手も同じことを思っているかもしれない。
相手を理解しない人は理解してもらえない、伝えたいことがあるならまず理解しなければいけない。そんなことが書かれていますね。深い…やはり7つの習慣は偉大…!7つの大罪じゃないよ!習慣だよ!難しそうな自己啓発本ですが、マンガで分かりやすく読める版もあるのでおすすめです。
レッスンのはじめにとにかく”聞く”
体験レッスン等初期のレッスンで、ついレッスンを体験してもらおうと先走って、自分ばかりがしゃべって時間を埋めてしまうことってありませんか?僕はめちゃめちゃあります!笑。ほんとに気を付けないと、すぐ自分がしゃべってしまいます。人は話すことに快感を覚える生き物らしいので、人の話を聞くときは自分が話したいという欲求を自制することも大事なんだとか。
僕の場合、体験レッスンはもちろん、毎回のレッスンでも生徒さんがどんな気持ちでここに来たのか、ギターを練習してどんな風になりたいのか、よく聞くようにしています。
□聞くときのポイントは「感情移入」
聞くというコミュニケーションの中でも、聞いたふりをする、興味ある部分だけ聞く、などレベルがあります。その中でも一番高いレベルが、感情移入して聞くということです。自分の経験やノウハウは一旦置いて、100%生徒さんの目線で話を聞いてみましょう。僕とセッション帰りの生徒さんのやり取りを一例としてお見せしますね。深く聞いていけば、相手がレッスンに何を求めているかが自然と見えてくるんです。
副島 初めてのセッションお疲れさまでした!ドキドキだったと思いますがどうでしたか?
Aさん 本当に緊張しすぎて何弾いたか覚えてません…笑。
↑この時点では曖昧な答え
副島 緊張されていたんですね。演奏中にどんなことを意識したか、または感じたか覚えていますか?
↑まだアドバイスはしない
Aさん 他の皆さんの演奏についていくのに必死で、自分のソロが回ってきたときに焦ってしまいました。ペンタを延々となぞるソロを弾いていました。
↑少し具体的な答えに。
副島 曲を必死で演奏している中、色々意識してソロをとるのは大変ですよね。
Aさん もっと色んな音を使えるようにしたかったんですが、あの場に立つとどうしてもペンタ以外に指がいかなかったんですよね…。
↑やりたいことが明確に
少し難しい内容になりますが、「感情移入して聞くこと」と「自分の経験に照らし合わせて聞くこと」はイコールではありません。つい、僕も初めて行ったセッションではAさんと同じように~と返してしまいそうですが、それでは自分というフィルターを通して相手の気持ちを決めてしまうことになりかねません。Aさんという人が、その場でどう感じたのか?という事を理解するのが大事なんですね。
□聞いていけばアドバイスのタイミングが分かる
このように相手の気持ちになって話を聞いていくことで、何気ない会話の中からでは分からない事を聞く事が出来ます。先ほどの例では、生徒のAさんがもっと色んな音を使ってソロを弾けるようになりたいことが分かりました。
ここまできて、ようやくアドバイスのGOサインだと思ってください。生徒さんにとって、とても的確で効果的なアドバイスになると思います。このようなアドバイスこそモチベーションにも繋がりますし、ヒアリングによって生徒さんがもともと持つモチベーションを知ることもできます。
おわりに
ノウハウを提供するだけのレッスンなら、ある程度一方通行でも成立する。一方で、生徒がもともと持つ情熱に気づいて、それを引き出して一緒に熱くなって、刺激しあえる関係を気づくには高いコミュニケーション能力が必要だと思う。使うエネルギーも膨大なんだけど、僕が目指すのは後者です😊
— ソエジマトシキ / Toshiki Soejima (@toshiki_soejima) June 3, 2018
今回記事にした内容は、僕も本当につい最近気が付いたことです。ノウハウを提供するだけのレッスンなら、そこまで深いコミュニケーション無しにも成り立ってしまうんですね。でも、レッスンが長続きしなかったり、途中から目的を見失ったりと、後々困るケースもが多いのも事実。
ギター講師のみなさん、是非日々のレッスンで実践してみてください♪
僕も今後より良いレッスンができるように、生徒の皆さんと良い関係が築けるように精進していきたいと思います!