こんにちは、ベース科講師の恩田です。
みなさん楽器のメンテナンスはやっていますか?
楽器のメンテナンスがしっかりできていないと、どれだけ練習を重ねても本番でその成果を発揮することは難しいです。
ところがライブにトラブルはつきもので、今まではそんなことなかったのに当日急に調子が悪くなってしまうこともあります。
大きな故障はどうにもなりませんが、トラブルの種類によってはその場で治すこともできます。
トラブルを未然に防ぐためにも、日頃から注意しておきたいポイントについて考えます。
1.ネックの反り
楽器を触ったらやたら弦を押さえにくかったなんてことありませんか?
いつもはならないところで音が詰まったり、ビビったりなんてことありませんか?
そんな時はネックが反っていしまっているかもしれません。
1-1.原因
例えば弦を太いものに変えた時などはネックが弦に負けて起き上がってきてしまう “順反り” 、反対に弦を細いものに変えた場合には “逆反り” という現象が起こってしまうことがあります。
また、急な温度や湿度の変化にさらされたときもネックが反ってしまうこともあります。
ネックはエレキベースを構成するパーツの中でも繊細な部分なのです…。
1-2.対処法
楽器を垂直に立てて上からみてネックがどちらかに沿っているようであればトラスロッドを回してネックが真っ直ぐになるよう調整します。
トラスロッドは
こんなところや
(カバーを外すと中にトラスロッドがあります。)
こんなところにあります。
トラスロッドは締めれば逆反りになるようにはたらきます。
一度にたくさん回さずに、弦を緩めて少しづつ調整してまた弦を張るという具合に確認しながら調整してみるのが良いと思います。
モノによってはネックを取り外さないといけないタイプもあるので、自信がない場合は楽器屋のリペアマンの方に質問をしてみるのも良いと思います。
1-3.日頃から気を付けること
反る部分によってはトラスロッドで解消できないこともあります。
ネックがなるべく同じコンディションを保てるように、保管方法に気を配る必要があります。
✔ 楽器は必ずケースにしまい、直立させておく。
✔ 直射日光の当たらない場所など、温度や湿度の変化が小さい場所に置く。
✔ こまめにネックの状態をチェックする
☆ネックは真っ直ぐになったけどかえって弾きにくくなってしまった…?
ネックを調整すると弦と指板の距離が変わるので、かえって弾きにくくなってしまうこともあります。
そんな時のために弦高の調整についてもサラッと載せておきます。
1.弦を緩めてサドルの高さを変える
2.弦を張り、開放弦と12フレットのピッチのずれを確認する
→必ずチューナーを使いましょう!
3.ずれている場合はサドルを前後させてピッチを合わせる
弦高を調整した後またネックが反ってしまうようなら再度ネックの調整をしましょう。
2.ノブやジャックのガリ
ノブを回したときや、シールドの接触不良でバリバリっとノイズが出てしまうなんてことはありませんか?
演奏中にバリバリとノイズがのってしまったらせっかく作り上げた雰囲気を台無しにしてしまうかもしれません。
2-1.原因
ガリはポット内部やジャックに錆や汚れ、ゴミが溜まることによって起きます。
多くの場合はパーツの清掃でどうにかなりますが、取り換えによっても解決することができます。
2-2.対処法
2-2-1.ポットの場合
ポットの開口部から接点復活剤をさして何度か回すと治ります。
接点復活剤を使わなくても何度か回すだけで治ることも多いです。
2-2-2.ジャックの場合
シールドに接点復活剤を吹いてジャックに挿し、何度か回すと治ります。
ジャックのガリは放っておくと接触不良で音が出なくなったりします。
楽器から音が出ないというのはミュージシャンにとって致命的なトラブルです。
2-2-3.注意点
接点復活剤は電気を通すので他のパーツに掛かってしまうと他の不具合が発生してしまうこともあります。
なので、接点復活剤をさすときには他のパーツに掛からないようピックガードや本体から外すなどして気を付けましょう。
2-3.日頃から気を付けること
上にも書いた通りほとんどの場合はパーツの清掃でどうにかなります。
しかし、どうしても気になる場合や治らない場合はパーツの交換も考えた方が良いと思います。
いつ壊れるかわからないパーツを載せていては、不安で演奏に集中できません…。
✔ 使う前に全てのノブを一往復させる
✔ ジャックにガリが出た場合は放っておかずにすぐに対処する。
3.まとめ
メンテナンスは可能な範囲で、自分でやってみた方が良いです。
どこまでやるかは自分次第ですが、上に書いたことは特別に手先が器用でなくても出来るメンテナンスです。
自分で調整をすることで楽器に求める音やレスポンスがハッキリしてくるし、その上でリペアマンとじっくり話をして調整をしてもらえばきっと思い描いていたサウンドにたどり着くことができると思います。
また、メンテナンスをするようになると楽器に愛着が湧いてきます。
その楽器がどんな状態で、癖があって、どんなパーツが使われていて他の楽器とはこんなところが違う。
自分が手入れをしたことでこんな風に良くなった。
そういった経験の積み重ねは楽器への愛着に直結していると思います。
そして技術的な上達には楽器への愛着や愛情は欠かせないと考えています。
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